結果(2020年5月)

2020/2021/2022/2023

店舗数の詳細はファイルにて。rankingシートを参照のこと。なお、算定基準が未熟だった関係で認識誤差があったところも多かったので、参考までに。

合計で14社が1都道府県以上で1位という結果になった。うち、クリエイト・カワチ薬品・サンドラッグも含めて6社が1県のみの支配となっている。

1番多くの都道府県で1位になっているのは15道県(ドラッグイレブンが1位の沖縄を含む)のツルハドラッグ。2位に沖縄を除く九州全てなど、10県のコスモス薬品。

シェア率でみると1位のツルハですら14%であり、上位3社で37%、3社が10%以上、他に5社が5%以上と、まだまだ再編の可能性は残されている。

企業別概要

1位のツルハは発祥地の北海道、及び東北で圧倒的な力を見せる。その他、中国・四国の買収した地域で飛び飛びに勢力を持つ。ドラッグイレブンの合併で九州地方への地盤を固め、いよいよ全都道府県制覇に王手を掛ける。

2位のウェルシアウエルシアは関東圏・関西圏の二極型。ただし、一番店舗が多いのは静岡県。これはかつて合併した高田薬局の地盤だったことに因む。また、九州には進出していない。
また全くの余談であるが、ウエルシアの「」は大文字である。キノンとかジトコ、と同じ。

3位のマツモトキヨシは典型的な都市型。といいつつも、和歌山県を除く全県に店舗を構えており、ココカラファインとの合併によって47都道府県全てに出店することとなる。

4位のスギ薬局は愛知県で極端な強さを見せる。愛知県はスギ薬局(345店舗)を筆頭に、中部薬品(Vドラッグ、159店舗)やゲンキー(74店舗)、スギヤマ(91店舗)などローカルチェーンもひしめくドラッグストア激戦区であり、県内の店舗数は1130店舗と同県より人口が多い大阪、神奈川を差し置いて全国2位の店舗数である。
また、ジャパンの地盤だった関西圏でもそれなりに強い。

5位の富士薬品は本社がある埼玉で強いが、他県では今一つ。非上場であることと、親会社が製薬メーカーなこともあり、今後もデイリーヤマザキのごとくしぶとく生き残るものだと思われる。

6位のココカラファインは旧セガミやアライドハーツ(ジップ/ライフォート)の地盤だった関西圏に強さを見せる。旧セイジョーの地盤だった関東圏でも決して弱いわけではないが、上位の企業には劣ったか。

7位のコスモス薬品は九州本土7県において全て1位(但し、マツキヨとココカラファインの合併で長崎で同数に持ち込まれる)と、九州で圧倒的な力を見せる。また関西・中四国にも店舗が多いが、茨城以北・以東には店舗を持っておらず、また10店舗以上ある県で最東端は岐阜県である。典型的な西高東低の分布。

ここまでが1000店舗クラブであり、2020年代を単独でも乗り切れる(かもしれない)ラインといえよう。もっとも、ツルハとウエルシアの合併や、コンビニやスーパーの乱入やその他諸々によってドラッグストア業界に激震が走るなどした場合、この限りではないことを付記しておく。

8位のサンドラッグは各地に幅広く分布。その中で、星光堂薬局の地盤である新潟では1位となったが、マツココ合併でひっくり返され(38店舗差を付けられ)、1位都道府県がゼロとなる。

ところかわって9位のクリエイトSD。栃木を除く関東と静岡・愛知の計8都県のみに進出し、全662店舗のうち過半数の376店舗を神奈川に展開する典型的なドミナント戦略。神奈川ではウエルシア(214店舗)、マツキヨ(160店舗)を差し置いて圧倒的な1位となっている。

10位のクスリのアオキも似たような状況である。発祥地の石川県を中心に北陸で強い。比較的進出が早かった北陸(新潟含む)、埼玉、岐阜らに店舗が集中し、それ以外の県にはぽつぽつと店舗を構える。

以上がシード権上位10社である。以下は400店舗以下の中堅が続く。その中でも売上高は業界9位のカワチ薬品は、大型店が多いため店舗数は293店と15位になる。なお、地元栃木県では店舗数1位を維持している。
埼玉県でドミナント戦略を行うセキ薬品は全国189店で18位だが、うち埼玉で163店を展開し3位に食い込む。
1994年にマツモトキヨシに抜かされるまで業界1位だったコクミン(コクミンドラッグ)は、今や186店舗しか存在せず業界19位にとどまる。
アインズは調剤薬局を1000店舗以上を展開し最大手であるが、ドラッグストアは62店舗にとどまる。

注意

都道府県別ランキング

1位 2位 3位
北海道 ツルハ サツドラ サンドラッグ
青森 ウエルシア ツルハ 薬王堂
岩手 薬王堂 ツルハ ウエルシア
宮城 ツルハ 薬王堂 マツモトキヨシ
秋田 ツルハ 薬王堂 カワチ薬品
山形 ツルハ 薬王堂 ウエルシア
福島 ツルハ ウエルシア カワチ薬品
茨城 ウエルシア カワチ薬品 ツルハ
栃木 カワチ薬品 ウエルシア マツモトキヨシ
群馬 ウエルシア クスリのアオキ スギHD
埼玉 富士薬品 ウエルシア セキ
千葉 マツモトキヨシ ウエルシア ツルハ
東京 マツモトキヨシ ココカラファイン サンドラッグ
神奈川 クリエイト ウエルシア マツモトキヨシ
新潟 サンドラッグ ウエルシア ココカラファイン
富山 クスリのアオキ ウエルシア 中部薬品
石川 クスリのアオキ ゲンキー マツモトキヨシ
福井 ゲンキー クスリのアオキ 中部薬品
山梨 ウエルシア ツルハ サンドラッグ
長野 マツモトキヨシ 富士薬品 ウエルシア
岐阜 ゲンキー 中部薬品 クスリのアオキ
静岡 ウエルシア クリエイト ツルハ
愛知 スギHD 中部薬品 杉山薬品
三重 スギHD ココカラファイン 富士薬品
滋賀 富士薬品 スギHD クスリのアオキ
京都 ウエルシア 富士薬品 スギHD
大阪 スギHD ココカラファイン キリン堂
兵庫 スギHD ココカラファイン ウエルシア
奈良 ココカラファイン キリン堂 スギHD
和歌山 ココカラファイン 富士薬品 エバーグリーン
鳥取 ツルハ コスモス薬品 ココカラファイン
島根 ツルハ コスモス薬品 ココカラファイン
岡山 ナチュラルHD ププレひまわり コスモス薬品
広島 ツルハ ププレひまわり コスモス薬品
山口 コスモス薬品 ツルハ ココカラファイン
徳島 コスモス薬品 ツルハ キリン堂
香川 ツルハ コスモス薬品 ナチュラルHD
愛媛 ツルハ コスモス薬品 富士薬品
高知 ツルハ 富士薬品 ウエルシア
福岡 コスモス薬品 ツルハ ナチュラルHD
佐賀 コスモス薬品 ナチュラルHD ツルハ
長崎 コスモス薬品 ナチュラルHD マツモトキヨシ
熊本 コスモス薬品 ナチュラルHD ツルハ
大分 コスモス薬品 富士薬品 ナチュラルHD
宮崎 コスモス薬品 ナチュラルHD マツモトキヨシ
鹿児島 コスモス薬品 マツモトキヨシ ツルハ
沖縄 ツルハ マツモトキヨシ ふく薬品
総計 ツルハ ウエルシア マツモトキヨシ

経済センサス(2017)との差異について

人口比店舗数、及び理論店舗数

人口比店舗数では岐阜県が4584.5人/店と2位の福井県(5299.3人/店)に圧倒的差を付け一番の激戦区となっている。平均は7704.5人/店。人口比店舗数は西高東低、というよりは両高中低(?)な分布である。西日本を中心に1万人/店以上の地域も目立ち、ワースト1位は沖縄県で11827.9人/店である。

独自に理論店舗数(一番の激戦区の店舗数を換算して、その都道府県にどれだけの店舗を置く余裕(?)があるか)も計算してみたところ、現況の16446店に1万店舗積み増して27638店が計算上可能という結果が出た。もちろん地域によって差はあるものの、まだまだ余裕はありそうだ(とはいえ、非常に簡易的な計算方法であるため、おいおい修正も行っていきたい。相関を重視したグラフにするとか)。

相関


(クリックで拡大)

県民所得とドラッグストア一店舗当たり人口の相関は-0.319(マイナスなので、県民所得が高ければ高いほど店舗あたり人口は少ない=人口あたり店舗は多い)と、コンビニ(-0.295)ほどではないにせよ弱い。

これが台湾のコンビニの場合はこうなるのだが(X軸とY軸が逆になっているが、右下向きのグラフにはなる)、日本の場合は地域差がさほど大きくならないのが特徴か。

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